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インフルエンザB型の症状と特徴|熱が長引く理由・A型との違い
インフルエンザというとA型のイメージが強いですが、実は毎年1〜3月にかけて増えてくるのがインフルエンザB型です。
「熱がなかなか下がらない」「一度良くなったのにまた発熱した」といった相談で受診され、検査をするとB型だった、ということがよくあります。
この記事では、インフルエンザB型の特徴・A型との違い・注意すべきポイントを、臨床の実感と学会指針・研究報告の両方を踏まえて解説します。
インフルエンザB型の主な症状
- 38〜40℃の発熱
- 咳、鼻水、のどの痛み
- 頭痛、倦怠感
- 胃腸症状(腹痛・下痢・嘔吐)
- 筋肉痛・足の痛み(インフルエンザ筋炎)
A型と比べると、「急に高熱が出る」というより、熱が上下しながら長引く印象を受けることがあります。
インフルエンザB型は「熱がだらだら」しやすい?
保護者の方からよくあるのが、 「一度下がったのにまた上がった」「元気になったと思ったら翌日また発熱した」 という相談です。
研究データでも、インフルエンザB型はA型に比べて発熱期間が長くなる傾向が報告されています。
つまり、現場でよく感じる 「B型はだらだら続きやすい」 という印象は、一定のエビデンスに裏付けられた現象 と考えることができます。
なお、インフルエンザの回復期には、 熱が下がった後も咳や鼻水が長引くことがあります。
「まだ治っていないのでは?」 「再受診した方がいいの?」 と迷われる方も多いポイントです。
▶︎ こどもの咳や鼻水が2週間以上続くときに知って欲しいこと
インフルエンザB型で多い「胃腸症状」について
インフルエンザB型では、咳や鼻水よりも 腹痛・下痢・嘔吐といった胃腸症状が目立つ ことがあります。
これはウイルスが腸に直接感染しているというより、 発熱や倦怠感と同じく、全身の炎症反応(サイトカイン)や自律神経の影響 によって起こると考えられています。
胃腸炎との違い
- 高熱が先行することが多い
- 咳・鼻水などの呼吸器症状を伴う
- 下痢や嘔吐はあるが主症状でないことも多い
「胃腸炎だと思っていたら、検査でインフルエンザB型だった」 というケースも少なくありません。
インフルエンザ筋炎(足の痛み・歩けない)について
インフルエンザ、特にB型では、 回復期に「足が痛い」「歩けない」と訴える ことがあります。 これはインフルエンザ関連筋炎と呼ばれます。
- ふくらはぎを中心とした強い痛み
- 歩くと痛がる、つま先歩きになる
- 発熱が落ち着いた2〜5日目に出ることが多い
多くは数日〜1週間で自然に改善し、後遺症を残すことはほとんどありません。
ただし、尿の色が濃い・痛みが非常に強い場合には、 横紋筋融解症との鑑別が必要なため、受診が必要です。
治療薬は必要?(B型とゾフルーザの位置づけ)
インフルエンザB型でも、抗インフルエンザ薬は治療の選択肢になります。 ただし、全てのお子さんに必須というわけではありません。
日本小児科学会の治療・予防指針では、 6〜11歳のB型インフルエンザに対して、 バロキサビル(ゾフルーザ)の使用を提案 しています。
抗インフルエンザ薬については、 「ゾフルーザが良いのか」「タミフルが良いのか」など、 迷われる方も多いと思います。
当院での薬の選び方や考え方については、 以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎ 子どものインフルエンザ薬の選び方【年齢別にわかる違いと注意点】
当院の抗インフルエンザ薬の考え方(ピースこどもクリニック)
当院では、「どの薬が一番良いか」ではなく、 「そのお子さんに今どの治療が合っているか」 を大切にしています。
- 年齢・体重
- インフルエンザの型
- 発症からの時間
- 症状の強さ・全身状態
必要に応じて、薬を使わず経過を見る選択も含め、 ご家族と相談しながら決めています。
再受診が必要なサイン
- 解熱後に再び高熱が出る
- 水分が取れない、尿が少ない
- 強い腹痛・嘔吐が続く
- 足の痛みが強く歩けない
「様子を見てよいか迷う」段階で、遠慮なくご相談ください。
最後に
インフルエンザB型は、 熱の経過、胃腸症状、筋炎など、A型とは少し違った特徴をもつ感染症 です。
症状や治療で迷ったときは、 当院の他の記事も参考にしながら、 無理せずご相談ください。







